2019年4月25日、丸善の創立150周年記念講演会を聴講しました。(日比谷図書文化会館)
テーマ:「ヒトはなぜ文明を築けるのか? ~ 人の進化史とその未来 ~」
講師: 長谷川眞理子 (総合大学院大学学長)
今年の冬、スウェーデンの15歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんが、地球温暖化に対応しない大人たちに
対する抗議活動として、登校拒否の座り込みを続け、世界に広がったニュースをご存知の方もいると思います。
ヒトはなぜ、地球環境を変えるに至るまでの文明を築いてしまったのか?
ヒトの進化から、この謎を解き明かそうとするお話です。
遺伝子はほぼ同じと言われるヒトと類人猿の、根源的能力の違いは
・社会的知能が高い ・・・ 他者の感情を読む、他者の意見を理解する
・他社の心のプロセスに注目できる。 心が働いているOSを共有している。
行動生態学での「文化」の定義は、遺伝情報以外で、動物の集団内に世代を越えて情報が伝えられていくこと。
・目的を共有して共同作業を行い、知識を子孫に残す。 「共同幻想」
一方、動物は自然環境に働きかけ、自然環境を変化させ、新たな環境を構築する。(ニッチェ構築)
次世代は、構築された新たな環境を前提として生きる。(環境に制約を受ける、他の環境では生きられない)
ヒトの文明は、壮大なる「ニッチェ構築」
現代人のニッチェは、「貨幣経済と職業と教育」
・教育を受けて職業についてお金を稼がないと生きていけない社会 (経済発展が前提の社会)
・市場経済は、止めたい、いらないと言っても、やめられない。
既に、ヒトが文明のために使うエネルギーは、太陽から受け取るエネルギーを上回った。
もはや、地球上の生物として、ヒトは分不相応な存在と言える。この状態は長続きできるものではない。
私達は、どうやってグレタ・トゥーンベリに答えたらよいのだろうか ・・・ ??
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